TSUBUYAKI

新しい生命の誕生は、新しい親を生み出します。
親と子の生きる力と生かす力が発揮できる環境を創り出す。
それこそが保育園の役割と考えています。

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「落ち着きはどこから」

保育室で大きな声が聞こえず、落ち着いているのがわかくさ保育園の特色といえるように努めています。園庭では元気で大きな声も聞こえますが、室内では、子どもも大人もほとんど普通の会話のボリュームで用は足ります。

 どこでも子どもが集まっていればにぎやかなのが普通です。その集団を大人が静かにさせようとすると大きな声が必要になります。多くの保育園や幼稚園では、子どもの意思とは無関係に保育士が準備したプログラムに従わせようとするため、大人も子どもに負けじと大きな声を出し、やかましくなるのです。

 子どもを教育するには言葉を通して教え導くものというのが常識でした。大人の話を子どもたちに聞いてもらうことがどうしても必要になります。そのため、言葉が未熟な乳幼児、特に3歳未満児にはまだその手段が有効に働かないので、教育の対象にはならないという考え方があります。保育園で預かるお子さんの半数はその年頃のお子さんです。しかしわかくさ保育園では、言葉が理解できる前からでも伝え手の思いを感じとり受け止める能力はあり、子ども自身の中に、環境との関わりを通して自分で育つ力を備えていると考えています。まだ言葉が使えない乳幼児期こそ、周囲の物的、人的な環境の刺激や関わりが重要な意味を持つのです。

 特に大事なのが自発的に集中して遊ぶことです。そのための物的な環境として、園では「お仕事」と呼んで様々な教具教材を準備しています。子どもたちが失業しないような援助をするのが保育士の重要な役目なのです。

 活動に集中している子は静かで落ち着いています。落ち着きと静かさは集中して「お仕事」ができているかどううかの重要な判断基準になります。

 人的な環境として整えているのは、クラスで異年齢児と関われることです。子ども同士が刺激し合い学び合うので、自発的な活動が促される大切な環境となっています。そこには大人の指示命令の声はほとんど聞こえません。このような環境で育った子は、自分で考えて行動するようになり、自己肯定感もしっかりと育ちます。

 大人が世話を焼きすぎると依存心が強くなり、自分に自信が持ちにくい子になります。大人はなるべく子どもに任せ、指示命令や禁止の言葉は避けるようにし、そのかわりに勇気づけ、励ましとなる言葉がけをしてあげましょう。