「平和はどこから?」
民主主義では物事の正否を決めるのに多数決という方法が用いられます。今年は人間社会の行方にかかわる大きな政治決戦がイギリスとアメリカで行われました。どちらも大接戦でしかも両方とも大方の予想とは反対の結果となりました。どんな社会になれば自分たちは幸せになれるか、真剣に考えて投票したはずです。色々な情報もすぐに手に入る時代なのですが意見がまとまりません。しかも真っ二つに分かれるのです。これが多様化の時代の特色なのかもしれません。いずれにせよ、平和に生きていける社会であって欲しいというのが、誰もが願う共通の願いだろうと思います。なぜまとまらないのでしょうか。しかも、世界の情勢を見ると決して平和で安心のできる状況ではありません。
日本に限っていえば、比較的恵まれているといってもよいでしょう。とはいえ、世界中が複雑につながっているため、地球上のどこかの国で発生した事件が、突然我が国までも激しく押し寄せてくることも予想されます。
このように激しく動き、変化の多い興味深い時代に私たちは生きています。激流から一歩抜け出して時代を見物するような余裕を持ちたいものです。
社会は不安定であっても人の「こころ」の基本となる感性と「からだ」の育ちの原理は一貫して変わりません。人は誰でも幸せになりたいのです。そのためにはお金が必要だと考えてしまいがちです。
お金や物があっても真の幸せは得られないことは歴史が示していますし、現実の社会を見てもわかるはずです。しかしその教訓に学ばず、性懲りもなく貪欲にお金を稼ごうとする活動が、そのまま平和を乱す原因となっています。
不和のもう一つの要因は、人と人との間に存在する様々な不信感です。お金は思うようになりませんが、人間関係は自分の努力次第で変えることができます。そこに希望があるからこそ、努力できるのではないでしょうか。周囲の人を大切にし、助け合える良好な関係を築くようにしましょう。家族や隣人と信頼関係が築ける子どもが育つように努めていきましょう。