TSUBUYAKI

新しい生命の誕生は、新しい親を生み出します。
親と子の生きる力と生かす力が発揮できる環境を創り出す。
それこそが保育園の役割と考えています。

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「落とし物が戻る国」

  落とした財布が手もとに戻ってくることは、わが国では珍しいことではありません。しかし世界では、そのようなことはほとんどないそうです。失くした人が悪いという考えが常識のようです。だれでも気軽に外国へ行けるこの頃ですから、そんなことは皆さんご存知の事でしょう。今更なぜ話題にするのかというと、人が平和に生きるための基本となる道徳基準に関係している重要なことだと思ったからです。

 失くした人への思いやり、所有権の尊重等、道徳上の基本に関係しています。

 そして、世界中で道徳水準の低下が心配されています。経済優先の社会による犯罪の多発、治安や社会秩序の乱れによるテロや戦争等、社会の不安が高まっている気配は否定しがたいものがあります。

 その中で今でも落とした財布が返ってくる国がある。それは素晴らしいことです。それを実現させている原因はどこにあるのでしょうか。ささやかな私たち一人ひとりの伝統的な倫理観である、人を大切にする「思いやりの心」に源があるのではないでしょうか。その積み重ねが国民性となって今でも守られ、受け継がれているのです。そして親がしているのを見て子どももするのです。

 生活に必要な物やお金はなければ困りますが、どれほどあればよいかはきりがないものです。日ごろから質素な生活を心がけて助け合い、欲しがらない心を大切にしたいものです。商業主義の宣伝や、何でも利己的な自由を容認したがる今日的な風潮には気を付けましょう。

 何が正しいか、簡単には判断できないことが多くなっています。金銭的には、うまそうな話には乗らないことです。人間関係の事では、必ず相手の気持ちになって考えてみましょう。謙虚な気持ちで正解を求めれば、難しい問題でも先輩たちが経験し、答えを出していることが多いものです。スマホで調べるのもよいですし、信頼できる人に訊いてみるのもよいでしょう。いずれにせよ、感情的に行動することは慎んで、思いやりの心を忘れないようにしましょう。